航空機データフィード基盤の構築と安定運用

概要
SDR(ソフトウェア定義無線)とRaspberry Piを組み合わせ、上空の航空機が発信するADS-B信号をリアルタイムでデコード、世界規模のフライト追跡ネットワーク(Flightradar24等)へデータを供給する常設フィード基地です。
開発の背景と課題
無線のデジタル信号処理への関心と、オープンデータの創出に貢献したいという動機から開始しました。限られたリソース(Raspberry Pi)で、高負荷な信号デコード処理を24時間安定して実行し続けるというインフラ運用の課題に挑戦しました。
技術スタックとアーキテクチャ
無線電波をデジタルデータに変換し、ネットワーク経由で世界へ配信するパイプラインです。
- ハードウェア: Raspberry Pi / RTL-SDR チューナー / 1090MHz専用アンテナ
- デコーダー: dump1090-fa
技術的な工夫
信号受信感度の最適化と熱対策
微弱な電波を確実に捉えるため、アンテナの物理的な配置だけでなく、信号ゲイン(利得)のソフトウェア調整を繰り返し行いました。また、デコード処理によるCPU負荷と発熱に対し、ヒートシンクと適切なエアフローを設計し、過酷な設置環境での連続稼働(Uptime)の最大化を実現しました。
提供価値・ユーザー体験
- グローバルネットワークへの貢献: 自身の受信したデータが世界中のユーザーが利用する地図上に反映されるという、オープンデータへの直接的な貢献。
- ローカルモニタリング: ブラウザから自身のアンテナの受信範囲や航空機の高度・速度を可視化するダッシュボードを構築しました。
成果・運用状況・今後の展望
現在も自宅のインフラの一部として安定稼働中です。今後は、受信データを活用した独自の通知Bot(特定の機体が接近したら通知する等)の開発や、気象データ(ACARS)の受信への拡張を予定しています。